自分たちの匂いが染み付いた、お気に入りのお布団で寝るにゃんこ兄弟。
お互いの体温がぽかぽかと気持ちよくて、体をぴったりくっつけて、弟の毛並み、兄の毛並みをふわふわと感じ、うっとりしながら丸くなる。
なんとなく、なんとなーく、ゴロゴロ喉が鳴ってしまう。
ただくっついて寝ているだけなのに。
幸せにゃー、ホントに幸せにゃー、気持ちいいにゃー。
寝そうで寝てない、このウトウトしている時が一番好きな兄にゃん。
アルにゃは一足先に眠りの門をくぐってしまったのか、白くて長い口元のひげをそよがせて、すぴすぴ言っている。
兄にゃんも弟のように意識を手放そうとした時だった。
ぐらぐらぐら、と床が揺れた。
気持ちよすぎて、またたびをカシカシした時みたいに酔ってるんだと思った。
「きゃーっ!! 地震よーっ!!」
飼い主母さんの声が聞こえてくる。
……地震? それ、なに? 食べれるの?
寝ていたアルにゃが目を開けた。
「兄にゃ……なに?」
兄にゃんは弟の目元をペロペロ舐めた。
「何でもないにゃ。このまま寝ようにゃん」
2匹はまたぴったりとくっついて目を閉じ、今度は2匹そろって、すぴすぴとひげをそよがせた。
おまえたちの野生はドコに行ったんだ、と後に飼い主に嘆かれた兄弟。
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